ぼかし・色彩美・素材
BOKASHI, RADIANT COLOURS, CRYSTAL GLASS

Bokashi ぼかし

ぼかし
うつろいが魅せる色彩美の世界

薩摩切子は透明なガラスに色ガラスを1〜5mm位に厚く被せ、これにカット(切子)をすることにより、色ガラスの厚さの変化によってグラデーションを施した色被せカットグラスです。

Radiant
Colours
色彩美

島津薩摩切子はとても鮮やかで澄んだ色が特徴で、深く、しっとりとした東洋的な色味を持っています。
「薩摩の紅ガラス」と珍重された紅をはじめ、藍、緑、黄、金赤、島津紫の全6色。 ぼかしをもつことで日本の侘び・寂びを感じさせ、どことなく温かみがあります。
シャープな美しさをもつヨーロッパのガラスや、江戸切子とは、対照的な魅力をもっています。

2001年、21世紀の始まりを記念して生み出された新しい色彩の世界。
『2色被せ』の技法で、選りすぐられた2色の色ガラスを重ねた生地をカットする事で、単色の濃淡で表現されてきた切子の世界に新たに色彩の変化が加わりました。

2015年、復元30周年の節目の年に「思無邪(しむじゃ)」シリーズが発表されました。
これまでの島津薩摩切子とは一味違うモノトーンの色彩で、一見するとシャープな印象ながら、薩摩切子特有のぼかしを併せ持った温かみのある表情も垣間見えて、幽玄なる新たな世界観が誕生しました。

Crystal
Glass
素 材

クリスタルガラスの輝き

島津薩摩切子はクリスタルガラスです。
クリスタルガラスは、透明度と光の屈折率が高く、高品質で無色透明のガラスです。
輝きがまるで水晶のようであることから、その名前が付きました。
光に当てると美しい虹彩を放ち、キラキラと輝きます。
1800年代の薩摩切子は酸化鉛を45%含んだクリスタルガラスですが、復元にあたっては含有量25%未満、食品衛生法が定める溶出量の範囲内に改良致しました。

色彩へのこだわり

薩摩切子は、とても鮮やかで澄んだ色が特徴です。
「薩摩の紅ガラス」と珍重された紅をはじめ、藍・緑・黄・金赤・島津紫の6色があり、さらに2色被せの色が加わり、多種多様な色彩の世界を展開しています。
東洋的な深みのある色彩は、透明ガラスに様々な鉱物を調合して作られます。
特に紅や黄は数年かけて試験を繰り返し、やっとたどり着いた珠玉の色です。

文様
Patterns

切子に込められた日本美の真髄
伝統の様々な文様

YARAI-NI-NANAKOMON
矢来に魚子文 (ストロベリーダイヤモンド)

矢来とは竹や丸太などで斜め格子状に組んだ仮囲いのことで、簡易的な矢除けにも用いられたことから魔除けの意味を持ちます。
太いカットのひし形(矢来)の中にある、さらに細かい格子が魚子文です。
細かいカット面の輝く様が魚の鱗、また海面に光り輝く小魚の群れに似ていること、魚の卵などがモチーフとされていて、子孫繁栄を願う吉祥文です。
ダイヤ型の中にイチゴの表面のような模様から別名「ストロベリーダイヤモンド」とも言われています。

TORTOISESHELL
亀甲文

玉状のカットをつなぎ合わせて六角形を作り出し、亀の甲羅のように見えることから亀甲の名がついたといわれています。
「ぼかし」の技法が十分に生かされ、奥行のある空間を演出します。
ガラスならではの映り込みの美しさも際立ちます。
長寿、無病息災、吉兆の意味合いが込められた縁起の良い文様です。

FLOWING FLAMES
流炎文

流れるような炎の文様が美しく、ダイナミックなデザインが特徴です。
二色衣開発時に作り出した、島津薩摩切子オリジナルの文様です。

HOBNAIL
矢来に八菊文 (ホブネイル)

矢来と菊を組み合わせた江戸時代からの伝統的な文様です。
ホブネイルとは靴の底に打つ、頭の大きな鋲釘のことで、薩摩切子では模様の形状から矢来に八菊文を「ホブネイル」とも呼びます。

SPIDERWEB
蜘蛛の巣文

蜘蛛の巣は凶事を絡め取り吉事を捕まえる、「幸運が訪れる」縁起の良い模様とされていました。ヨーロッパでも創造、知恵の象徴とされています。

EIGHT PETALLED CHRYSANTHEMUM
WITH SWORDS

段差付八剣菊

皿の底面に使われる文様で、ゆるやかな面を段差をつけて左右に非対称にカットしています。
情趣的なぼかしの効果が存分に発揮されており、伝統柄の中でもダイナミックな文様です。

FINE DIAMONDS
霰文

魚子文のように直角に交わった細かな矢来が作り出す文様ですが、魚子文よりも深く大きなカットになり、薩摩切子では魚子文と明確に区別しています。
きめ細やかな輝きが特徴です。

OVERLAPPING PETALS
花縁 蓮弁状

口縁部のカットを総じて花縁と呼んでいます。
花びらのように刻むことで装飾的になり、皿や花瓶等に使われる文様です。

BASKETWEAVE AND
SIXTEEN PETALLED CHRYSANTHEMUM

八角籠目に十六菊文

八角形の籠目の中に十六弁の菊花のような文様を組み合わせています。
これは複合文と呼ばれる薩摩切子の特徴をよく表しています。
籠目文は幸運を籠むという思いが込められた吉祥文です。
菊は日本の国花でもあり、重陽の節句には不老長寿を願う花でもあります。

INTERLINKED DIAMONDS AND
SMALL FLOWERS

菱繋に小花文

連続した菱型の中に小さく四弁の花が咲いた文様です。
小花のぼかしが薩摩切子の美しさを際立たせます。

HEXAGONAL BASKETWEAVE WITH
HEMP LEAVES AND FISHSCALE

六角籠目に麻の葉小紋と魚子文

六角形の籠目の中に、麻の葉小紋と魚子文を交互にあしらいます。
麻の葉は、植物の吉祥文様です。麻は成長が早くまっすぐに伸びるので、子供の健やかな成長と魔除けの意味が込められています。薩摩切子の代表的な複合文の一つです。

薩摩切子のシリーズ
PRODUCT LINES

Restoration &
Creation
復元・
創作

『復元』シリーズは、江戸時代に作られた薩摩切子の美しさを現代に蘇らせるべく製作されたものです。
また『創作』シリーズは、当時のデザインを踏襲しながら、現在のライフスタイルにあわせたデザインを提案し続けています。

Nishikie 二色衣 (にしきえ)

2001年に製造が始まった『二色衣』シリーズは、鹿児島の自然の美しさをモチーフに作られました。
今までの薩摩切子に新しい風を吹き込み、これからの挑戦の第一歩となりました。

Shimuja 思無邪 (しむじゃ)

薩摩切子の生みの親である島津斉彬の座右の銘『思無邪』は、思い邪(よこしま)無し=心情をありのままに表して、いつわり飾ることがない。という意味があります。
現在「思無邪シリーズ」は墨黒、真珠白、透明の三色を展開しております。
特に墨黒は黒一色では難しい「ぼかし」を表現するため研究が重ねられ、二色衣の技術を応用することで薩摩切子ならではの柔らかい「ぼかし」を表現することができました。